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AusDiagnostics Ultra-Plex 96

Molecular diagnostics / COVID-19

Ultra-Plex 96は、マルチプレックス・タンデムPCR技術により、迅速な検出を可能にするハイスループットのスクリーニングシステムです。

私たちがTecanを選択したのは、すでにキットの製造に10台のFreedom EVO® 150リキッドハンドリングワークステーションを使用しており、その技術に全幅の信頼を置いていたためです。私たちはすでにいくつかのピペッティングヘッドを自社開発していましたが、Tecanの技術の巧みさに感銘を受け、コンポーネントが私たちの求める精度や再現性のニーズを満たしていると思いました。ADPは、私たちのロボットプラットフォームに容易に組み込むことができ、USBポートを介してシームレスに通信することができます。

Professor Keith Stanley, Managing Director

分子診断のための包括的なデータを提供

オーストラリアの体外診断薬(IVD)企業のAusDiagnostics社では、病理検査室に包括的な臨床データを提供し、患者ケアと検査室の効率性を改善する分子診断検査プラットフォームを構築しています。同社の特許技術であるマルチプレックス・タンデムPCR技術は、SARS-CoV-2(新型コロナウイルスCOVID-19)の迅速な検出や、さまざまなコロナウイルス類似感染症の原因を区別するための検査に使用されています。

 

分子診断システムの開発

AusDiagnostics社の新規PCR多重化技術は、もともとH5N1(鳥)インフルエンザの発生当初に実用化されたものなので、同社では当然ながら微生物学用の検査パネルの設計に力を注いでいました。同社のマネージングディレクターKeith Stanley教授は次のように説明しています。「マルチプレックスは、分析感度や特異性を損なうことなく、患者さんの疾病の全体像を把握することができます。患者さんの10~15%は同時に複数の感染症に罹患していて、症状がある病原体を示唆していても、実際にはもっと高いレベルのまったく別の病原体を持っている可能性があるのです。したがって、疾患の完全なパネルについて検査したほうがはるかに良いのです」

同社では自動化された分子生物学的技術により、COVID-19の危機に素早く対応し、最初の遺伝子配列が発表されてから3週間も経たない1月31日までに最初の臨床サンプルを実際的に検査し、3月初めにはキットにCEマークを取得しました。メインのスクリーニングキットは、インフルエンザA、インフルエンザB、RSウイルスと併せて、SARS-CoV-2に対しても2つのターゲットを持ち、両方のターゲットで陽性となったサンプルが偽陽性である可能性は低くなります。また、ワークフローには2つのPCRステップがあり、非常に感度が高いため、リファレンスラボでも見逃してしまうような陽性を特定できるという利点があります。

 

高まる需要に応えるためには、適切なパートナーのサポートが必要

AusDiagnostics社のスクリーニング検査は、サンプルプロセッサーとリアルタイムPCR分析装置で構成される、同社の特注分子診断システムで実行されます。Ultra-Plex 96ハイスループットスクリーニングシステムは、2020年初頭に発売されました。同社は既製のCavro®空気圧液面検知方式ピペッター(ADP)を統合し、エンジニアリングリサーチを削減することで、フルプラットフォームの開発を加速させました。「このプラットフォームを早く市場に出したかったので、既製のピペッティング機構を使うことにしたのです」Stanley教授は続けます。「私たちがTecanを選択したのは、すでにキットの製造に10台のFreedom EVO® 150リキッドハンドリングワークステーションを使用しており、その技術に全幅の信頼を置いていたためです。私たちはすでにいくつかのピペッティングヘッドを自社開発していましたが、Tecanの技術の巧みさに感銘を受け、コンポーネントが私たちの求める精度や再現性のニーズを満たしていると思いました。ADPは、私たちのロボットプラットフォームに容易に組み込むことができ、USBポートを介してシームレスに通信することができます」

Ultra-Plex 96は2ステップのPCRワークフローを同時並行して行うことができ、ワークデッキには96ウェルサーマルサイクラーを内蔵しています。システムは768件のPCR検査結果を持つアッセイパネルの処理を最短3.5時間で実行し、2時間ごとにサンプルを再装填できるため、パンデミック時のスクリーニングに必要なサンプル量の処理に最適です。COVID-19のパンデミックにより、Ultra-Plex 96プラットフォームはSARS-CoV-2の診断検査を行う病院や民間の検査室からの大きな需要を生み出しました。Stanley教授はこう付け加えます。「私たちのプラットフォームとキットはパンデミックに大きな変化をもたらしました。このプロジェクトでのTecanの協力と連携に感謝しています。Tecanのチームは、各フェーズで適切なソリューションを見つけるために、部品の配送スケジュールまで調整して、積極的に支援してくれました」

 

ADP製品のハイライト:

  • 完全にプログラム可能な空気圧式ピペッティング — お客様独自のアプリケーションのニーズに対応
  • 優れた分解能 — 1インクリメントあたりわずか25 nl(1,000 μlで40,000インクリメント)
  • 広範なピペッティングレンジ — 5 μl未満から1,000 μlまで
  • プロセスの安全性 — エラー処理、チップ検出センサ、高分解能圧力センサを統合
  • メンテナンスフリー設計 — 信頼性の高い長期運用が可能
  • 選べるTecanのディスポーザブルチップ — 用途に合わせて10、50、200、1,000 μlのチップを選択可能
  • チップ排出機構 — 組込みを簡素化

 

Cavro ADPの詳細については、こちらをご覧ください。