中国の体外診断用医薬品メーカーに好評のCavro® ADP
中国のDaAn Gene社では、Cavro空気圧液面検知方式ピペッター（ADP）を自社の新世代分子診断装置に統合し、Tecanの優れた液体分注技術を中国の血液バンクや感染症研究所に提供しています。
中国の体外診断用医薬品（IVD）市場における主要なサプライヤーであるDaAn Gene社は、20年以上にわたり分子診断キットと試薬を専門に扱っています。2005年から試薬ビジネスのサポート機器の設計・製造を開始し、2009年には、同社の血液バンクにおける感染症スクリーニング用DNA抽出システムDA3000にTecanのCavroコンポーネントを組み込むことを決定しました。
「Tecanの名前は中国の病院検査室ではすでによく知られており、Freedom EVO®シリーズは、リキッドハンドリングやサンプル前処理アプリケーションに幅広く使われています」そう語るのはDaAn Gene社研究開発ディレクターJunan Hong氏。「TecanのCavroコンポーネントは高性能で信頼性も高いので、当社の機器にCavro ADPピペッティングソリューションとCavro XLPシリンジポンプを選択したことは、まさに理にかなっていました」
ここ1年ほど、中国の検査室では、血液バンクの感染症検査は従来のELISA法からDNA抽出法やPCR法に移行しつつあります。中国市場の大半のサプライヤーがリキッドハンドリングソリューションに液体置換技術を使用しているのに対し、DaAn Gene社では、IVD装置との関連から空気置換技術を利用して業界をリードしています。
コンパクトでプログラム可能なピペッティングソリューション
Cavro ADPは、コンパクトで完全にプログラム可能な空気圧式ピペッティングソリューションです。装置に簡単に組み込むことができ、11,000 µLから優れた液体処理性能を発揮します。液剤の吸引と吐出に空気圧を利用するため、メンテナンスは最小限で済みます。オンボードの圧力式センサが液面レベルの検出をモニターして正確な動作を確保します。また、内蔵のチップセンサが、ディスポチップが正しくピックアップされているか、プローブから落下していないかをチェックし、エラーフラグを立てて記録することでプロセスの安全性を高めます。DA3000の特徴は、4つのADPモジュールを並列に動作させることで、装置のスループットを飛躍的に向上させた点にあります。この独自の機能が、DaAn Gene社製品の中国市場での競争力を高める結果につながったのです。
Hong氏は次のように続けます。「優れた性能と品質に加え、Tecanの中国現地チームと米国のアプリケーションスペシャリストの双方から強力なサポートが得られたことにとても満足しています。Tecanのコンポーネントは血液バンクや感染症管理センターでの用途に適しています。私たちも、さまざまなワークロードに対応する装置をすでに開発し始めています。DA3000の4つのADPピペッターはハイスループットのアプリケーションに対応していますので、私たちではロー～ミディアムスループットの施設に向けて、より少ないADPモジュールで同様のオプションを作ることを目標に開発を進めています」
